子供の英語を上達させるためには、英単語を正しく読めるようにする!
これが、一番大事なことです。
だからこそ、
- フォニックスを学ぼう!と言う人が増えたし
- 小学生のための英単語学習本が増えたのです。
かくいう私も、
- フォニックスはずっと教えてきていますし、
- 英単語ドリルだって活用しています。
でも。
残念ながら、今ひとつ、効果が薄い・・・と感じてしまう今日この頃なのです。
そこで、今回は、その理由と対策を、考えてみたいと思います。
目次
今時の子供達の特徴
今の子供達は、さまざまな情報機器にさらされているためか?耳から聞いたことは、すぐに覚えます。
実際、ネイティブの発音を真似て、単語をリピートするのは、めちゃくちゃ得意です。
ところが、その反面、単語を視覚的に捉えることが、苦手です。
功を急ぎすぎ?カタカナ表記の問題
その原因の一つとして挙げられるのが、カタカナ表記です。
手にとってみれば、おわかりだと思いますが、最近の小中学生用の英単語ドリルや英単語辞書等は、ほとんどが、カタカナ(一部ひらがな)を使って振り仮名がつけてあります。
確かに、どの教材にも、「カタカナ表記は、あくまでも、参考として捉えてください」とは書いてあります。
でも、子供達にそういった言い訳は通用しません。
ココに注意
もちろん、制作側の気持ちは理解できます。
英語学習が低年齢化している今、なんとか子供にも学習できるように、やむを得ずカタカナで振り仮名をつけているのでしょう。
実際、私も「必要悪だ」と割り切った時もありました。
でも、ある日。
私は、恐ろしいことに気づいちゃったんです。
それは!
子供達は、英単語ではなく、カタカナの方を、まず見てしまうのです。
そして、一瞬にして、読み方を暗記してしまいます。
もちろん。
それでも!望むような英語力が身についていくのなら、問題はありません。
でも、今の中学生の多くが
-
- 新出単語は読めない
- スペルミスがとても多い
- バリバリのカタカナ読みである
所を見ると、決して、良い結果をもたらしている・・・とは言えないのではないでしょうか?
日本語を捨てるべき
これらの苦い経験から、私は、カタカナはカタカナであって、カタカナは日本語でしかない。ということを、子供達には、徹底的に理解させるべきだ!と思うようになりました。
たとえば、peopleを子供達にリピートさせると、「ピーポー」と発音します。
確かにネイティブの発音でpeopleは「ピープル」ではなく、「ピーポー」に聞こえますから、別にそこに問題はなさそうに見えます。
でも。
子供達は、決して「people」を正しく発音しているわけではないんです。
ただ、聞いたままを丸暗記して、カタカナ的に「ピーポー」と発音しているだけのこと。
そんな状況で、「ピーポー」という音を、peopleという文字に結び付けられる子供は、一体どれだけいるものでしょうか?
ココがポイント
なぜ?「ピーポー」と聞いて覚えただけではダメなのか?
「ピーポー」で、通じるんだから、それでいいじゃないか?と思うかもしれません。
確かに、「peopleという単語1つ」だけを見れば、そうでしょう。
でも、英語を使うためには、最低でも3000語の単語を知っている必要があります。
また、2020年度からは、中学生でも、2400語の単語力が必要です。
そうした現実を踏まえた時、それだけの量の単語を、果たして文字認識が弱いままで、ちゃんと覚えられるものでしょうか?
フォニックスなら、どうか?
じゃあ、どうすれば良いのか?
その答えの一つが、フォニックスでした。
フォニックスとは、カタカナとは違う、英語特有の音を学んでいきながら、文字認識を学んでいく方法です。
ところが、このフォニックスでも、問題は生じます。
というのも、せっかくフォニックスを勉強して覚えても、フォニックスを単語の読みに生かせない子が、とても多いのです。
通常、フォニックスを教える時には、下記の順番で行うことが一般的です。
- 子音を教える
- 短母音を教える
- 3文字単語の読み方を教える
私の経験上、上記の1番と2番は、ほぼ問題はありません。
子供達は、すぐに覚えて、英語らしく綺麗に発音できるようになります。
3番も、最初は戸惑うものの、これも、なんとかなるレベルです。
でも、問題は、その先です。
たとえば、3文字単語の「bag」を読ませる時には、
- 「b」の音は、ブッ、ブッ、
- 「a」の音は、アッ、アッ、
- 「g」の音は、グッ、グッ、
と一音ずつ確認したあとで、「ブ、ア、グ」「ブアグ」→「バッグ」と読むのだ!
という教え方をします。
でも、この方法は、すぐにつまづいてしまいます。
なぜなら、dictionaryのような長い単語は、このやり方では、どうにも教えられないからです。
そこで、長い単語だけは、こう教えます。
dic ディク tio ショ nary ナリーと。
でも、こんなやり方は、正直、意味がありません。
なぜなら、
子供にしてみれば、何故?今まで、さんざんフォニックスをやってきたのか?その意味がわからなくなってしまうからです。
ココに注意
子供達にとっては、dicを、ディクと読むのは、理解できます。
でも、tioは、トゥ、イ、オであって、なんで?ショって読むの?になります。
もちろん、こうならないために、とことんフォニックスルールを教えていくやり方もあります。
たとえば、
- 二重母音や子音
- 母音+子音
- サイレントeのルールなど
次々と新しいルールを教え続けるわけです。
でも、現実には、これらのルールは複雑すぎて、子供たちは、身に着けられません。
しかも。
たとえ、すべてのフォニックスルールを身に着けたとしても、英語は、ルールに当てはまらない単語=サイトワードが山ほど存在します。
これらを、どう解決するのか?
海外の子供達は、英語の中で育ちますから、こういったことも、なんとかなってくるのでしょうが、日本語の環境に住む私たちには、かなり大変です。
発音良く、英単語を読めるようにする
カタカナもダメ。
フォニックスも今一つ。
ということになると、どうすれば良いものでしょうか?
そこで、ちょっと発想を変えることにしました。
そもそも、カタカナの振り仮名やフォニックスを使うのは、
- 子供が自分で英単語を読めるようにする
- 完璧に正しくはなくてもネイティブに伝わる発音にする
ことが目的です。
そう考えてみると、
- カタカナ表記は、上記の1に重きを置き、
- フォニックスは、上記の2に重きを置いていることがわかります。
でも、できれば、どっちも、バランス良く教えたい。
フォニックスと発音記号を組み合わせる
それが、フォニックスと発音記号を組み合わせた教え方です。
流れとしては、下記のようになります。
1、まず、発音記号上、必要な子音のフォニックスだけを教えます。
2、1の子音+母音の読み方を確認します。(この時の母音はローマ字読みです)
3、特別な、発音記号の読み方を教えます。
4、実際に英単語を使って練習します。
1と2の部分に関しては、表を作りましたのでご覧ください。
フォニクスの音を利用したローマ字表みたいなものです。
この表は、実用性を目的にしていますので、他の英語の先生からは邪道だ!中途半端だ!と叱られるかもしれません。
でも、子供のうちは、とりあえず、英語を「らしく読める」基礎が作ればいいと考えました。
そのため、発音も、100%完璧にするのではなく、押さえておきたい!ものだけに的を絞っています。
まとめ
最後にまとめます。
子供の英語力を伸ばすためには、正しく英単語を読める!ことが、何より大事です。
なぜなら、正しく英単語を読めてこそ、単語力(語彙力)はついてくるからです。
- 読めない単語は覚えられません。
- 正しく読めない単語は、聞き間違い、書き間違いをします。
- そして、単語がわからないと、文法も理解できません。
何より、英単語が読めないだけで、
- 英語は、簡単に嫌いになれます
この方法が、少しでも、お役に立てば幸いです。