日本人は、どういうわけか?
aとthe
単数と複数
可算と不可算
この3つの概念を、割と簡単に切り捨てています。
実際、ほとんどの日本人が、そんな概念、どうでもええやん。
と思っている気がするほどです。
ところが、ネイティブ的には、
そうは、いかんぜよ!(どこの人?)
ということになるらしい。
つまり、
状況によっては、
aとthe
単数と複数
可算と不可算
ここをおろそかにしただけで、
「思わぬことに発展する」可能性もあるわけです。
そこで、
ネイティブの感覚を完璧に理解することは無理だとしても、
せめて、ネイティブの「概念」を知る努力ぐらいはしておきましょう。
そのためには、aとthe、単数と複数、可算と不可算を文法的に別々に覚えるのではなく、まとめて取り込むようにします。
それでは、早速。
可算、不可算は数えられる、数えられないではない
まず最初に、可算と不可算から学びます。
可算と不可算は単数、複数へとつながる概念なので、最初に確認します。
ちなみに、
可算は、数えられるもののこと。
不可算は、数えられないもののこと。
と説明されることが多いですが、
日本人には、この数えられる、数えられないが、よくわかりません。
なぜなら、数えられる、数えられないの概念がネイティブとは違うからです。
たとえば、fishは不可算名詞で数えられない単語だ。
と言われても、ピンと来る子はいません。
だって、感覚的には、
「魚、ちゃんと数えられるじゃ~ん!」
と思うのが普通だから。
しかも、面倒なことに、
不可算名詞はどんな時にも不可算であるわけではありません。
実際、こういう場合なら、fishにもaはつけるからです。
ところが、こういったことを、中学校で教えることは、まず、ありません。
一応、建前としては、子供達が混乱するから教えない。
ということなのかもしれませんが、
実際のところは、テストで○×つけにくいから。
というのが、本音のような気がします。
もし、学校の英語学習の目的が英語を自由に使う能力を育てることにあるのなら、
年齢を言い訳にせず、その概念の違いを、ちゃんと最初から教えるべきです。
ココに注意
英語と日本語は、綺麗に1対1で対応しているわけではありません。
が、fishとa fishに関しては、ちゃんと日本語に対応しています。
日本語では、可算、不可算の区別はせず、ほとんどの名詞を不可算で使います。
ところが、数を表す時に限っては、とても神経を使っていたのです。
そして、その数を正確にあらわす日本語が助数詞と言われるものです。
たとえば、魚の場合。 上記のようなイラストの魚(水の中を泳いでいる)は、1匹、2匹と数えます。
一方、食べ物としての魚であれば、1尾、2尾、もしくは、1きれ、2きれと数えるのです。
助数詞は、500種類ほどあるそうですが、今現在、消えてしまっている助数詞、あやふやになっているものはたくさんあります。
実際、日本人である私達自身も、知らないことが多いので、英語とともに学びなおすと面白そうです。
可算、不可算の学び方
可算、不可算については、概念が違う。
それが、わかれば、その違いをどう埋めていこうか?
その方法を考えましょう。
まず、ネイティブの基本は、辞書等を見てもわかるように、
可算名詞を基本としています。
実際、英語は可算名詞のほうが、圧倒的に多いので、
例外的な「不可算名詞」を覚えるのが良い
と普通は考えます。
が、常に英語の世界に生きているわけでもないのに、
例外的な「不可算名詞」を全部、暗記するのは、やはり無理でしょう。
しかも、
ここが、今日の一番のポイント!
日本語は、不可算が基本です。
「魚食べる?」
「本買いたいんだ。」
「洋服が欲しい~」
「ペン貸して」
どこにも、単数のaや複数のsに対応するものはつかないんです。
数が単数だろうが複数だろうが、
魚は魚
本は本
洋服は洋服
ペンはペン
のまま。
そのせいでしょう。
特に、英語初心者は、
日本語で考え→英語に訳す
というプロセスをたどるので、
どうしても、英文に単数のaや、複数のsを忘れます。
そこで、まずは、
ネイティブの基本は可算。
日本人の基本は不可算。
この図をしっかり、インプットしましょう。
そうしたら、頭の中で、黒板の赤いバーを左に動かしていきます。
大事なのは、必ず頭の中の赤いバーを動かすことです。
なんかの怪しい宗教ではございませんので、ご安心を。
英語の可算を意識するためだけの儀式です。
ココがダメ
中学校では、この儀式の代わりに(笑)、英訳の時、「私は1冊の本を買う」「私は3本のペンが欲しい」と言うように、非常に不自然な日本語を使います。
自分が学生の頃は何も思いませんでしたが、今は、一体、これに何の意味があるのだろうか?と思います。
このテスト的なパターンに慣れすぎると、「私は本を買うつもりだ」「私はペンが欲しい」といったとても簡単な英作すら即答できず、aもsもつけ忘れます。
可算が意識できてから、分別する
上記の儀式で可算が、ちゃんと意識できるようになったら、
ようやく、可算名詞、不可算名詞を分けていきます。
理想は、
「意味のわからない名詞」が出てきたら、必ず、辞書を引いてみること。
そして、必ず、辞書を読む!ようにします。
でもまぁ、いつも手元に辞書があるわけではないので、
大雑把な、分け方も書いておきますね。
可算名詞
- 輪郭がある
- 輪郭はなくても明確な初めと終わりがある
- それと同じものを並べることができる
不可算名詞
- 輪郭がはっきりしない
- 形が変わっていく
- ぼんやりしている
ざっくり書いてはみましたが、
本当は、このあたりのイメージは、人それぞれです。
だから、最初は面倒でも、辞書を引いて、確認しながら、自分自身のイメージを作っていくようにしたほうが長い目で見たら、お得です。
まとめとクイズ
aとthe、単数と複数、可算と不可算をまとめて学ぶための第一歩として、一番の土台となる可算と不可算についてお話しました。
概念を知ることが目的なので、なんとな~く、薄ぼんやりしているとは思いますが、今はそれでOKです。
それに、現実にネイティブと会話する時には、可算、不可算、多少、間違っても気にする必要はありません。(意味が変わってしまう場合は、要注意)
コミュニケーションというのは、お互いがお互いの方へ歩み寄ることです。
だったら、間違いを気にして、黙りこくってしまうより、
「日本人は不可算で生きている!」
ということをネイティブにも、理解してもらうようにしましょう。
考えてみれば、可算、不可算問題って、
ネイティブにとっても日本人にとっても「へぇ」な話題だと思いませんか?
何より、お互いの理解につながるし。
ということで、今回は、予定より、かなり長くなってしまいました。
そこで、単数と複数、aとtheは次回へまわすことにします。
その間に、ちょいとクイズを。
上記に掲載した、小学校5年生の子が書いたイラスト。
ほほえましいなぁ・・と思っていたら、
このイラストのブラックさに、今、気づきました。
さて、あなたは、わかりますか?