洋書を読むって、いろんな楽しみ方があるんだな~と、最近、再発見しています。
というわけで、本日も、エラリークイーン著「The French Powder Mystery」からの引用させて頂きます。
目次
その単語って、そういう時にも使うの?
よ~く知っているはずの英単語が、面白い使われ方をしている例です。
猫のノミ取り櫛をイメージするとわかりやすいかも
原文:Thomas had his strings out all night. Combed the neighborhood.
英単語:combは、名詞だと櫛、動詞だと髪をとかすという意味ですが、ここでは、くまなく捜すという意味で使われています。
あぁ!猫のノミ取り櫛みたいなもんか~と、イメージしました。(笑)
それに、ミステリーではご近所をしらみつぶしに捜すのは、通常の手順ですから、辞書の用法にも載ってました。
また、had his strings outは、stringsが糸や紐で、have outが 引き出すというような意味です。
訳本では、「糸をたぐってみた」となっていて、実にすばらしい!と唸りました。
何もないんだな~ってイメージしましょ
原文:There's just a bare chance that she may be alive.
英単語:bareは形容詞で裸のという意味が真っ先に来ますが、ここでは、かろうじて、やっとの、・・・だけのという意味で使われています。
裸ってことは、何もないんだな~ってイメージすればいいので、ほとんど生きている可能性はない・・・と意訳できます。
あの有名な、Xを思い出しましょう
原文:I'll keep you posted.
英単語:postedで、ピンと来るのが、X(旧ツイッター)のポストですね。
あれは、投稿する・・・という意味ですが、投稿するってことは、みんなに公表するってことです。
注意点は、この時のpostedは、動詞の過去形ではなく、形容詞だってことです。
また、I'll keep you posted.は、口語ではよく使われる表現なので、「逐一、報告するよ」みたいな意味として、丸暗記してもいいと思います。
上司への悪口も英語で見てみよう
原文:That is a sample of the blank-dangest, extra-soft-boiled, unmitigated blatherskite of a mud-hen of a police commissioner that this or any city ever had.
上記の悪口に使われている単語は、学校では絶対に習いませんね?
なので、見たこともないな~という単語が多いです。
また、調べてみても、よくわからない単語もありましたが、一応、その結果を書いておきます。
the blank-dangest blankは空っぽ dangestは、horribleと似た意味(?)のようですから、
下品な、悪い結果をもたらす恐ろしいもの・・・とでも訳せばいいのでしょうか?
ちなみに、訳本では、空っぽ頭のとなっていました。
extra-soft-boiled extraは特上の、soft-boiledは、中身が固まっていない という意味で、
訳本では、特別腑抜けのとなっていました。なるほど~。
soft-boiled eggは半熟卵ですね~
unmitigated blatherskite of a mud-hen mud-hen(泥沼にいる鳥)のunmitigated(紛れもない)blatherskite(たわごと)
訳本では、純然たるほら吹きのアホウドリとなっていました。
mud-hen=アホウドリではないですが、とことん悪口にしたいので、敢えて意訳したのでしょうね。
さらに、最後の部分も辛らつです。
この市はもちろん、どの市にだって、あんなコミッショナーはいたためしがない・・・みたいな意味ですもんね。
ま、いつの時代も、どの国においても、上司というのは、悪口の対象になるんだな~と、ワクワクしましたね。(爆)
まとめ
今回は、エラリーの本の中でも、とても楽しませてもらった部分を掲載させてもらいました。
洋書を読んでいて、一番、面白いのは、やっぱり「会話」の部分です。
エラリーの場合は、ミステリーで、なおかつ、読者への挑戦状まで入るので、状況説明が非常に多いのですが、
生きた英語表現を知ることだけでなく、
エラリーの話しぶり、リチャードクイーン警視とのやり取りなど、そこにとても魅力を感じます。
そこが、学校の長文読解とは、全く異なる点だと思うので、ぜひ、気負わずチャレンジして頂きたいな~と思います。