大人の英語学習 洋書を読む

洋書を読むことで文法も見えてくる?

英語学習は王道に限らない

洋書を読むことは、英単語や英熟語の習熟に役立ちますが、文法にもかなりプラスになります。

特に、学校での文法が嫌いだった方には、むしろうってつけではないでしょうか?

文法を大人っぽく学ぶ

学校での文法がとっつきにくいのは、文法用語をバリバリつかって、山ほどあるルールをどんどん詰め込んでくるからです。
しかも、英文法のルールって、数学の公式とは違い例外パターンがとても多く、ひたすら暗記するしかないのでは?って気になります。

ですが、最初に「洋書を読む」を持ってきておいて、ゴールを「まぁまぁ中身がわかればええやんね?」ぐらいにしておけば、むしろ、文法も楽しくなってくるはずです。

そういう意味で、私は大多数の方と反対の道=レベルに関係なく、自分がすっげぇ好きな洋書を読むってことをおススメしております。

なぜなら、すっごく好きな本なら、驚くほど頑張れるからです。
実際、私も昔、英語学習のためにレベルを合わせて、好きでもない本を読んでみましたが、全然、楽しくなかったので、途中でやめてしまいました。

洋書を読むには
参考好きな洋書の読み方

洋書を読むのは、なかなか一筋縄ではいきません。 なにせ、見たこともない単語が結構、出てきますし、 知っている単語ばかりなのに、意味わからんっ!ってなるケースも結構あります。 さらには、構文的にも、ん? ...

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でも、好きな本は違います。
読めなくて、調べまくらなきゃいけない時もありましたが、人間ってすごいですね。そのうち慣れてくるんです。
それに、いろいろ調べているうちに、だんだん文法=熟語みたいなもんだと思えてくるんですよ。
もちろん、その熟語(用法、文法)を深く理解するために、文法書は買いましたが、今の時代は、文法書が手元になくても、ネット検索すれば大抵のことは説明されています。

エラリークイーンで文法を学んでみよう

というわけで、早速、エラリークイーンで文法を学んでみましょう。

※記事内で使っている「原文」はすべて、エラリークイーン著「The French Powder Mystery」からの引用です。

とにかく?な単語は意味だけでなく、用法を調べましょう

原文:Surely you will not mind letting us have it for a few days, will you, sir?

この文は、私自身は理解できましたが、とっても良い実例だと思ったので、掲載しました。
中学英語の場合、文法事項が重なって出てくることはあまりありませんが、洋書の場合は何でもアリです。
ただ、英語はプラスの言語なのだ・・・ということさえ理解できていれば、一つずつ分解していくだけで簡単に構造が見えてきます。

ちなみに、この英文の文法は、

  1. mindは動詞で、mindの後ろに来るのは、ing形のみ
  2. letは使役動詞で、let+人+動詞の原形で、(人)に(動詞の原形)をさせる

という2つの文法(1は文法じゃなく用法?)がくっついた形になっています。
そのため、mindの後ろのletがlettingとなっているわけです。
なお、letは、使役動詞の中でも許可を求めるニュアンスがあります。

ここから、「それを私たちが持っていても構わないですよね?」という感じの訳になります。

日本人的な感覚を捨て、文法を信じましょう

原文:In silence the burly physician went to a wardrobe, rummaged about in the first pair of trousers that met his eye.

文法事項としては、that=関係代名詞で、met his eyeがtrousersを説明しています。
直訳すると、彼の眼に会ったズボンということになり、意味は理解できます。

ただ、日本人としては、妙な気持ち悪さがありませんか?
私は妙に気持ち悪かったので、meet one's eyeで熟語がないか?調べました。
すると、目に触れる・・・という意味がありました。

これなら「彼の眼にふれた最初のズボン」となり、日本語らしい訳にはなりました。
が、おそらく、上記のような英語表現は私には絶対に無理です。

というのも、日本人にとっては、無生物が主語になるのは妙に気持ち悪いため、なかなか使えないんです。
ましてや、ズボンがmetするって?どういうこと?ってなる。(爆)
でも、こういう感覚のずれを理解していくのも、良い勉強になります。

メモ

関係代名詞は2つの英文をくっつけて1文にしているので分解すると、

  1. the burly physician went to a wardrobe, rummaged about in the first pair of trousers
  2. the first pair of trousers  met his eye

こういう2文になるはずです。

簡単な単語、短い文こそ、しっかり調べましょう

原文:the Inspector muttered, "Where in time those books come in?"

文法的、構造的には何も難しいことはありません。
ただ、途中に入っているin timeと、come inの熟語は、よく知っているがゆえに、意味がよくわかりませんでした。

こういう時、文法的に何か特別なことがあるのか?と思いがちですが、
むしろ、よく知っていると思い込んでいるin timeとcome inの熟語を調べた方が良いです。

in time = 「間に合う」という意味で覚えていることが多いですが、「やがて」「行く行くは」という意味もあります。

come in = in time以上に、よく知っているcome inは、「~に入る」という意味がすぐに出てきますが、調べてみると、「役割がある」「加わる」「役立つ」という意味もありました。

ここから、「あれらの本は、行く行くはどこに加わる(役割がある)んだ?」みたいな意味になります。
※一文だけ取り出すと、わかりにくいと思いますが、この文はエラリークイーンの推理小説からの抜粋なので、「あれらの本」は事件のどこに関係があるんだ?とパパ警視がつぶやく場面になります。
パパ警視、かわいいんですよ。

まとめ

学校では、英単語、英熟語と英文法は別々のもの・・・って感じで教えられてきた気がします。

それは、今も昔も同じで、多くの親御さんたちが、単語じゃなく文法を教えてください!って言われることからもわかります。

でも、学校がどう教えようが、大人の私たちは同じように学ぶ必要はありませんよね?
レベル別に洋書を読むっていうのは、確かに王道なのでしょうが、画一的な学校のやり方に似ている気がしますし、事実、私には合いませんでした。

そのあたりは、人それぞれでしょうから、ご自身に合った方法を試されるのが良いと思いますが、万が一!その方法がダメだったとしても、あきらめないで欲しい・・・ということだけ言っておきたいと思います。

あと、蛇足ですが、この記事のトップにある画像は、私がipadで描いた絵です。
5月6日にアップした記事と同じ写真を見て描きました。

CHECK

飲みすぎるんだろう。一目でわかる
英語のリーディングが伸びないのは、違和感のなさにある?

前回、洋書(英語)を読むコツとして、「違和感」についてお話ししました。 が、もう少し突っ込んだことを言えば、 英語のリーディングが伸びないのは、「違和感がない」あるいは「違和感はあるのに、それを無視す ...

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5月6日に描いたのは、白いキャンバスに黒の鉛筆で描くという王道の描き方です。
一方、今回の描き方は、真っ黒なキャンバスを消しゴムで消していくという真逆の描き方をやってみました。
※真っ黒なキャンバスに描くために、写真の影をかなり強くしましたが。

絵のうまい下手は別にして、ご覧のとおり、王道でなくともそれなりに描けるわけで、これは英語学習においても同じです。
なので、万が一、王道がダメでもあきらめず、いろんなやり方を試してもらえたら・・・と思います。

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