英会話に必要なレベルは中学レベルである。
これは、よく言われることです。
もちろん、これはレベル的には・・・という意味であって、
中学生用の参考書をとりあえず勉強すれば、英語が話せるようになるわけではありません。
もちろん、中学校で習うレベルの文法や単語力は必須です。
でも、それならば、今の中学生だって、バリバリ英語が話せるはずですが、そうはなっていません。
中学生を教えていれば、誰だってその現実は見えています。
つまり。
中学生には無理!なのではなく、
たとえ、社会人になったとしても、
日本人的な学校英語の癖が抜けないと、英語は話せるようになりません。
というのも、何より大事なのは、英語のコアをしっかり体にしみこませることだからです。
私自身、中学3年生の卒業も近づいてきて、
なんとか、このコアを中学生のうちに身に着けて欲しい!
そう思ったので、焦りと共に、本屋でいろんな英語の本をあさりまくったのですが、
やっぱり、結局、(広告になるけど)「一億人の英会話」が一番かな?と改めて思っています。
その効果は、英会話だけじゃない
「一億人の英会話」を選んだのは、この本が一番コアをつかみやすいと思ったからです。
とにかく、姉妹本である「一億人の英文法」でもそうでしたが、
この本の著者が言い続けているのは、とにかく、英語は文型がすべてだ!という点です。
実際、文型を最優先に考える!
ということをやらない限り、
日本人は、永遠に英語の本が読めないし、英語を聞くのも話すのもつらいままでしょう。
※私自身も経験済み
つまり、逆に考えるならば、
英語の文型さえ体にしみこませてしまえば、
- 英語の本も読める
- 英語を聞くのも話すのも楽になる
んです。
無意識に音読すれば、効果は半減する
ただし、どんなに良い本であっても、
日本の英語教育の癖をそのまま引きずって、
暗記するためだけに、無意識に音読すれば、その効果は半減します。
何度も、著者が念押ししているように、
音読をするのであれば、
- 英語をポンポンポンッと置いていく感覚
- その並べ方(文型)によって、文全体の意味が作られる
ということを、肌で感じることができなければなりません。
正直、こういう部分って、伝えるのってすごく難しいんです。
だって、「音読」という行為は同じだから。
でも、目的は大きく違います。
しつこいようですが、暗記するんじゃないんです。
だから、最初のうちは、スラスラじゃなくて構いません。
ポツポツでいいから、単語を置いていく感覚をしっかり意識し、その文型こそが文全体の意味を形作るのだと実感してください。
大事な感覚をチェックする方法は?
実際、これを中学3年生にやってもらっていると、
- 単なる暗記のために音読しているのか?
- 単語を置いていく感覚と文型をしみこませている練習なのか?
一体、どっちだろう?と、わからなくなることがしょっちゅうあります。
学校英語の癖って、すごく強烈ですから。
こういう時、他人の頭の中を覗いてみることができたら、修正できるんですが、
表面上に見える部分だけで、チェックしようとするのは、大変です。
そこで、いろいろ考えてはみるんですが、
コレだ!っていう、正解にはまだ至っていません。
ただ一つ言えることは、
確かに「一億人の英会話」は素晴らしい!ですが、この本のパターン練習だけで、終わらせない方がよさそうです。
たとえばですが、
他の参考書(普通の文法書でいいと思う)などから、適当な問題を引っ張ってきて、
どの文型なのか?最初のうちは、いろいろチェックしてみた方が良いと思います。
つまり、最優先事項は、「なんちゃら文法」の方ではなく、英文の型である!
ということを、自分の脳の習慣=癖にしてしまうんです。
ちなみに私は、先日、中学生にこんな英文でチェックを促しました。
(良かったら、あなたもやってみてください)
メモ
※「一億人の英会話」の中に書かれている「授与型」と「目的語説明型」の練習をした後、出した問題です。
Q:下記の英文の意味の違いは何でしょう?
- She made him a good husband.
- She made him a good wife.
単語は一つも難しいものはありません。
それでも、もし、悩んでしまうとしたら、文型がまだ、体にしみ込んでいないのです。
大事なことなので、何度でも言います。
文法とか、日本語の意味とかを最優先で考えるのではなく、
「文型が文全体の意味を作るのだから、それを最優先に考える!」
この感覚を磨くことに徹しましょう。
学校英語が無駄にはならない考え方とは?
さて、ここまでが、「一億人の英会話」の基本の「き」の部分。
ここから、さらに発展させていけるのが、この本の良いところ。
どうするか?というと、基本文型の各部を、「部品」によって拡張していくのです。
はてな
基本文型の各部とは?
- 主語
- 動詞
- 目的語
- 説明語句
この4つの部分のことです。
はてな
拡張のための「部品」とは?
- ‐ing形
- to不定詞
- 過去分詞形
- 節(小さな文)
つまり、中学校で習ったあの!文法ですよ。
ここでは、ざっくり書いているので、すごく難しいように思うかもしれませんが、
この発想で、中学の英文法を眺めてみると、
すご~く、スッキリ!理解しやすくなる!はずです。
たとえば、to不定詞なんかでも、
- 名詞的用法
- 副詞的用法
- 形容詞的用法
なんて、なんで習ったんだろう?
とすら思います。
確かに、学校のテスト的には◎だったかもしれません。
でも。
そのおかげで、私たちの実用的な英語力は上がらないままだった!
そう断言してもいい気がします。
まとめ
というわけで、中学3年生の仕上げとして私も使っている「一億人の英会話」ですが、
ほんの触りだけご紹介してきました。
私が思うに、この本を、みっちり最後までやりきったなら、
少なくとも、英会話や英文への恐怖感はなくなると思います。
むしろ、英語の言い回しの面白さに気づいてしまい、知らないうちに英語から抜けられなくなるかもしれません。(笑)