2020年度から始まる大学入試共通テストで、英語の民間試験の成績を比べるために活用されるのがCEFR(セファール)です。
要するに、試験の仕方も、点数の付け方も、統一されていない英語の民間試験を同じまな板の上に乗せるために、CEFR(セファール)を利用しよう!というわけです。
文字で読むよりも、画像で見た方がわかりやすいと思いますので、早速見てみましょう。
CEFR(セファール)のレベル
下記は文科省に掲載されているCEFR(セファール)のレベル表です。
CEFR(セファール)と英語の民間試験の比較
さらに、英語の民間試験とCEFR(セファール)との対照表もご覧ください。
大学入試共通テストで求められるレベルは?
大学の出願資格に英語の民間試験を必須とするか?どうか?は、各大学次第ですが、CEFR(セファール)でA2レベルあれば、とりあえず、どこの大学でも問題なく受けられそうです。
上記の表を見ても、CEFR(セファール)のA2は、英検なら準2級ですから、高校生なら楽勝レベルでしょう。
とは言え、ここに全く問題がないわけではありません。
というのも、
これらは、一体・・・なんのために行われるのか?
という点を考えれば、大学入試のためだけの資格取得や、単なるレベル合わせは、ナンセンスでしかないからです。
現実的なレベルは?
確かに、採点方法も試験内容も異なる英語の民間試験を同じまな板の上に乗せるためには、対照表が必要だというのはわかります。
そのために、CEFR(セファール)を利用するのも、理解できます。
でも、現実的な高校3年生のCEFR(セファール)レベルは、一体どれぐらいなのか?
ここをしっかりと押さえておかないと、大学入試改革はもとより、英語教育改革も無意味なものになってしまいます。
現在、私には、高校3年生の生徒はいませんが、小中学生のレベルから考えて、まず、間違いなく、多くの子が高校3年生になっても、CEFR(セファール)のA1レベル程度だと思います。
いや、もしかしたら、A1まで行かない子も、相当数いるんじゃないか?とすら思います。
こんな状態のままなら、CEFR(セファール)も形骸化してしまうに違いありません。
さらに詳しく
先にお話ししたように、新しいCEFR(セファール)は、11レベルに細分化されています。
これにより、より細かく、英語力を評価できるようになっています。
また、いわゆる4技能=読む・聞く・話す・書くだけでなく、リスニング理解、読解力、コミュニケーション力、ライティングコミュニケーション力、スピーチやプレゼン力、作文やエッセイを書く力、仲介コミュニケーション力など、より具体的な技能をチェックするようです。
これなら、本当の英語力が測定できるでしょうが、もちろん、大学入試には使われません。
まとめ
中学、高校と英語を学んできたにも関わらず、日本人は英語が使えません。
それならと、小さなうちから子供英語を習わせても、やっぱり、日本人は英語が使えません。
その一番の理由は、英語を現実の生身の言葉としてでなく、高校受験、大学受験のための教科として学んでいるからです。
そういう語学学習のズレを修正するために、大学入試や英語教育を変えるのだと思っていたら、何のことはない、大学入試のために英語の民間試験まで利用されるようになっただけのことでした。
それでも、これを「ふるい」と考えれば、これはこれでいいのかもしれません。
8割の親子は、上っ面に流され、大学入試のためだけの資格を取るでしょうが、残り2割の親子は、名実ともに本物の資格を取っていくでしょうから。