英語を学習するうえで、自動詞、他動詞は知っておくべきことです。
それは、わかっていても、果たして、中学生に教えるべきなのか?
悩む人は多いと思います。
確かに、いずれ理解しなければならないことであれば、
中学レベルから、徐々に身に着けた方が良いかもしれません。
が、文法用語ばかり出てくると、拒否反応が起きる中学生は多いはず。
しかも、意外に時間に追われているのが中学生です。
その上で、中学のテストレベルのことも考えると、
中学生のうちは、最初から自動詞用法や他動詞用法を理解させるのではなく、
まずは、熟語や例文として覚えてしまった方がいいと思います。
なぜなら、熟語や例文として覚えてしまえば、
自動詞、他動詞の説明はある意味、至極簡単だからです。
なお、熟語や例文を覚えた後の具体的な自動詞、他動詞の説明は下記の通りです。
1、自動詞、他動詞の用語と見分け方を教える。
2、意味がどう変わるのか?を、教える。
3、辞書の見方を教える。
今回は、それを一つずつ、詳しく見ていくことにしましょう。
自動詞、他動詞の用語と見分け方
すでに、熟語や例文は入っているので、自動詞と他動詞の見分け方は全然、難しくありません。
I go to school.
このgoは自動詞。
前置詞が後ろにつくのは、ほぼ、自動詞。
I visit Tokyo.
このvisitは他動詞。
後ろに前置詞がないのは、ほぼ、他動詞。
こう説明すれば、終わりです。
自動詞と他動詞、意味がどう変わるのか?
ただ、多くの動詞は、自動詞にもなり、他動詞にもなります。
そこで、自動詞として使う場合と、他動詞として使う場合には、何が違うのか?
ここも説明しなければなりません。
そこで、自動詞、他動詞でよく使われる例文を二つ見ていきます。
例文その1
The door opened.(自動詞)ドアが開いた
Someone opened the door.(他動詞)誰かがドアを開けた
この例文は、理解しやすい例文です。
なぜなら、多くの中学生が、
自動詞=自動ドアを連想して、ドアが勝手に開く。
他動詞は、他=誰かがドアを開ける。
と、納得するからです。
でも、これだけだと、理解は深まりません。
そこで、二つ目の例文に進みます。
例文その2
He hit at me.(自動詞)
He hit me.(他動詞)
こちらは、まず、自動詞か?他動詞か?見分けるところから始めます。
当然、atという前置詞がついている方が自動詞です。
でも、なぜ?わざわざatをつけたり、つけなかったりするのか?
意味はどう変わるのか?
まずは、中学生に確認してみましょう。
多分、さきほどの、自動ドアのようには、いかないはずです。
そこで、前置詞=クッションだ。
と説明してしまいましょう。
そうすると、
He hit at me.(自動詞)は、
彼は私に打ってかかった。
(でも、本当に打ったかどうか?は不明)
He hit me.(他動詞)
彼は、私を打った。
この二つの英文の違いが、ピンと腑におちるはずです。
この時、中学生のレベルによっては、
自動詞の文型は、SVの文型。
他動詞の文型は、SVOの文型。
ということを、教えてもいいと思います。
そうすれば、さらに、理解は深まるはずです。
辞書の見方を教える
実は、
- 自動詞、他動詞の見分け方
- 自動詞、他動詞の意味の違い
これらを、説明する本来の目的は、
辞書の見方を教えることにある。
そう言っても過言ではありません。
辞書の中にある情報は膨大です。
この辞書を(しかも誰もが持っている)、徹底的に使うこと。
これこそが、英語力をグイグイ伸ばしてくれるのです。
わからない単語の意味を調べるだけが、辞書の役目ではありません。
辞書を引いたなら、自動詞、他動詞の用法を両方とも確認する癖をつけさせましょう。
辞書は引くのではなく、読む。
その姿勢、習慣をつけるために、自動詞、他動詞はうってつけなのです。
まとめ
自動詞、他動詞を理解するということは、文型を理解することにつながっています。
ですから、本来は、きちんと教えておきたい!
と思う先生は多いと思います。
でも、自分が教えたいことと、中学生の現実は違います。
かくいう私も、このことを、ついつい忘れそうになる時があります。
でも、そこを、ぐっと我慢して、
中学生達の現実から、道を探っていく。
これしかないと思います。