以前、中学生の英単語の覚え方を記事にしましたので、今回は小学生の英単語の覚え方です。
小学生は中学生とは違い、
- 時間が足りない
- 現実的なテスト対策もしなきゃならない
ということがないので、覚え方も異なります。
せっかく時間に余裕があるのですから、最初は時間がかかっても、理想的な覚え方をしていきましょう。
アルファベットを完璧にする
まず、最初にやるべきことは、アルファベットを完璧にすることです。
これは、小学生だろうが、中学生だろうが、変わりません。
大文字だけでなく、小文字も書けるように。
abc順じゃなくても、「エフ」と言われたら、すぐに「f」を、「エイチ」と言われたら「h」が書けるまで、完璧にしてください。
フォニックスを学ぶ
アルファベットが完璧になったら、次にフォニックスを学びます。
前回の記事で、フォニックスはゆる~く学んだ方が良いと話しましたが、だからと言って、音までいい加減ではいけません。
あくまでも、フォニックスを学ぶ時には、正しい音で学ぶ。
これが、何よりも大事なことです。
特に、英語特有の音である、f、v、th、r、lに関しては、口の形を鏡で確認させながら正確に行いましょう。
その理由は、後からお話します。
また、その他のアルファベットに関しては、子供達が混乱しないものから始めましょう。
子音のb、d、h、k、m、p、q、s、t、w、zが良いです。
簡単な単語を使って、音を完璧に学ぶようにします。
単語を読む練習をする
上記のフォニックスがほぼ完璧になったら、もっとたくさんの単語を読む練習をしていきます。
先ほどのフォニックス学習で、一応、単語を読む練習はしていますが、それの何倍も、単語を読む練習をしていきます。
また、まだ学んでいない音(母音と一部の子音)もありますので、たくさんの単語を読む中で、少しずつ身につけていくようにします。
つまり、ここでの目的は、
- 今まで学んだフォニックスがどこまで身についているか?の確認
- 今まで学習してこなかったアルファベットの音を単語の中で学ぶ
この二つになります。
もちろん、単語を読む時には、必ず、正しい音で読むようにします。
中途半端なカタカナ読みは、しないようにしましょう。
単語を書けるようにする
単語が読めるようになったら、いよいよ、単語が書ける状態にまでしていきます。
ここで、絶対にやってはいけないことがあります。
それは、何度も書いて覚えるという方法です。
書いて覚えるというのは、昭和の時代の話。
今の子供達に書いて覚えろというのは、時代錯誤です。
実際、私達大人は、ずっと「書いて覚えることで」英語を学んできました。
その結果、どういうことが起きたでしょうか?
ざっと書き出してみます。
- 簡単な単語は良いが、長い単語の場合、スペリングミスをする
- たくさんの単語を一度に覚えられない
- 知らない単語は読めない、書けない
- カタカナ読み、ローマ字読みがいつまでも抜けない
- 英語を話すことにコンプレックスを持つ
- リスニングが苦手になる
どうでしょう?
書いて覚えるというのは、目の前のテスト対策には役に立つかもしれませんが、子供達に私達大人と同じ二の舞を踏ませることにもなりかねません。
もちろん、「書く練習」を、まったく、するな!と言っているのではありません。
書く練習は好きなだけ、やってもらって、構わないのです。
ただ、一つ、
書くことだけで単語を覚えようとしない!
ここだけ、気をつけるようにしてください。
単語は、体を使って書けるようにする
では、どうやって、単語を書けるようにするのか?
使える体はすべて使って、書けるようにするのです。
- 目で見ること
- 口や舌で発音すること
- 耳で聞くこと
- 手を動かすこと
最低でも、この4つの器官はすべて使うようにしてください。
やり方は簡単です。
まず、単語を見て、発音します。
正しく発音するには、単語をしっかり見ないと、発音できません。
口の形、舌の形も確認しつつ、ちゃんと単語を読みます。
そして、自分が単語を読んだその声を、自分の耳でちゃんと聞き取ります。
その上で、手を動かして、書いてみるようにします。
この方法をおすすめするのは、これが一番、効率が良いからです。
最初、慣れないうちは、
- 単語を見て正しく発音すること
- 口の形や舌の位置を確認すること
- 自分の発音を耳で聞くこと
は、少し面倒に感じるかもしれません。
単語を見て、たくさん書いた方が、手っ取り早い気がするからです。
ところが、書いて覚えた(気がした)単語は、テストが終わったとたん書けなくなる。
こういうことが、中学生でも、しょっちゅう起きるのです。
これは、成績がトップクラスの子でも、同じでした。
そこで、もっとも効果的なのが、「単語を口で覚える」方法です。
※ただし、フォニックスがきちんと身についている必要があります。
たとえば、
ご近所さんの英語は、カタカナで書くと、ネイバーフッドです。
でも、多くの子供達が、フッドはfで始まるのか?hで始まるのか?悩みます。
また、「r」と「l」に至っては、よく知っている単語以外は、しょっちゅう間違っています。
ところが、ちゃんと、正しい音で口の形を意識しながら、単語を読む練習を続けていると、そんな悩みや間違いは、ほぼ消えてしまいます。
しかも、単語だけでなく、英文を読む時にも、ちゃんと英語らしい発音になるため、一石二鳥にも三鳥にもなるのです。
まとめ
私たち大人は、長い間、ずっと「英単語は書いて覚えろ」と言われ続けてきました。
ですが、書いて覚えるというのは、往々にして単なる作業になってしまいがちです。
(脳がお休みで、手だけ動かしている状態)
確かに、単なる作業であっても、簡単な英単語なら覚えることはできるでしょう。
ですが、今後、子供たちが中学生になった時、覚えるべき単語は、以前の約2倍になるのです。
さらに、実用的な英語力が求められていることも合わせて考えれば、正しく読み、正しく英単語を書ける能力は、もはや必須なのです。
なぜなら、正しく読み、正しく書けることが、つまりは、ライティング力だけでなく、リスニング力、スピーキング力、リーディング力にもつながる。
これは、間違いない事実だからです。
ぜひ、時間に余裕のある小学生のうちに、正しい順番で英単語を覚えるようにしてほしいと思います。