子供の将来

子供英語はなぜ?無駄になるのか?無駄にしないためには?

子供英語は無駄になる。

子供英会話なんて役に立たない。

というのは、

いつも、ひそひそ言われていることです。

 

そのためか?どうか?わかりませんが、

小さい頃は、習っていた子供英語、英会話を、

小学校5、6年か中学生になると止めてしまうケースは、

とても多いようです。(進学塾への移行も含む)

 

そこで、今回は、子供英語はなぜ?無駄になるのか?

その理由を最初に知ってもらった上で、

子供英語を無駄にしないための方法を、

お話ししたいと思います。

 

 

発音だけで英語は話せない

子供が小さいうちから、英語塾に通わせる最大の理由は、

やはり、発音でしょう。

 

小さいうちから、ネイティブに学べば、ネイティブのような発音になる!

と思っている人は多いようですが、

発音だけ良くても、英語は話せないのです。

 

なぜなら、発音とは単なる音だからです。

 

このことは、金管楽器のトロンボーン演奏に置き換えるとわかりやすいかもしれません。

トロンボーンはピアノとは違い、

どこかの鍵盤を押せば、自動的に音が出る楽器ではありません。

U字型の管の部分を自分でスライドさせることによって、音を出す楽器です。

そのため、まずは、ドレミファソラシドの音を出す練習が必要です。

これが、ちょうど、英語の発音練習に似ています。

 

そして、このトロンボーンで曲を吹き、

それを聞いている人に「あぁ、あの曲だ!」とわかってもらえること。

これが、英会話に当たります。

 

つまり、こういうことです。

どれだけ正確にドレミファソラシドが吹けたとしても、

音符の長さ、リズム等々がバラバラだと、

聞いている人には、それが何の曲だか?はわかりません。

 

むしろ、ドレミファソラシドは多少、間違っていても、

音符の長さ、リズム等々はもちろん、

吹いている人自身が「その曲」をよく知っていれば、

聞いている人にも「あぁ、あの曲だ!」とすぐにわかるのです。

 

発音だけでは、英語は話せない。

その理由、なんとなくイメージできたでしょうか?

 

真似るだけでは英語は話せない

子供が小さい時に発揮する大きな能力の1つに、

完全なる耳コピがあります。

小さな子は、意味などわからなくても、

良く聞こえる耳で、柔らかな舌で、

聞いたとおりを、コピーし、そのまま話すことができます。

 

その才能を無駄にしないために、

子供英語や英会話はあるらしいのですが、

残念ながら、真似るべき英語に接する時間が短すぎるため、

日本語を話すようには、英語を話せるようにはなりません。

 

なにしろ、

子供のまわりにあるのは、英語ではなく、日本語の環境です。

だから、子供にしてみれば、

お腹がすいたときも、

おもちゃが欲しいときも、

のどが渇いたときも、

遊びたいときも、

眠たいときも、

自分が欲しいものを手に入れるためには、日本語を操る必要がある!

わけです。

 

欲しい物を手に入れるには?

 

「必要は発明の母」と言いますが、

もはや、これは本能のようなもの、と言ってもいいでしょう。

 

つまり、

真似るだけで話せるようになる。

これは、母語だからこそできることなのです。

 

最低限、必要な英単語と英文構造

もちろん、真似て話せるようになる英語がないわけではありません。

たとえば挨拶とか、

日常的に良く使う単語などは、

子供であっても、すぐに覚えてしまうでしょう。

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ただ、子供はドンドン成長していくもの。

日本語の場合は、

幼稚園の時よりも、小学生、

小学1年生よりも、小学3年生、

小学3年生より、小学5年生・・・

と言う具合に、話す内容も少しずつ複雑に変化していきます。

 

それができるのは、

日本語のエキスパートが、ちゃんと子供達のまわりにいて、

学校や家庭や地域などで、

実にたくさんのことを教え続けているからです。

 

つまり、

それと同じことができない英の場合は、

別の学習方法が必要になります。

別の学習法・・・・

そう、それが、英単語と英文構造を理解することです。

 

ただし、年齢が低いうちは、

この方法でのアプローチは難しいため、

親にしてみれば、

「結構、長く通っているのに、全然、話せるようにならないじゃん

と感じるのです。

 

学習の目的が途中で変わる

また、小さい頃は、発音だ!英会話だ!

そう言っていた親御さんが、

子供が中学生になった途端、

学校の成績、テストの点数を優先させるようになります。

 

中学生は高校受験を控えているので、

仕方のないことかもしれませんが、

こういった微妙な親の気持ちの変化に、子供は敏感です。

 

実際、中学校での生活は、小学校とはまるで異なり、

部活などで、時間にも余裕がなくなります。

 

こういった変化によって、

子供達は見事に「英会話離れ」をしていきます。

 

たとえ、学校の英語の授業がオールイングリッシュになろうとも、

たまに、ネイティブが授業を受け持ったとしても、

子供たちは、単に「そういう授業であり、教科なんだ」と受け止めるに過ぎません。

 

なぜなら、子供達の目の前にぶら下げられているのは、

英会話ができなきゃ困る世界ではなく、

成績が悪いと困る世界、高校に入らなきゃ困る世界だからです。

 

中学生になるとガラリと変わる

 

心のタフさ

以前から、「日本人は、英会話での間違いを恐れすぎる」

と指摘されてきました。

そして、これは、今も全く変わっていません。

それどころか、昔よりも、その傾向は強くなっているように思います。

 

これが、学校教育のせいなのか?

必要以上に細かなテストのせいなのか?

はわかりませんが、

小さいうちから、

間違いや失敗は成長の糧であり、

それを、しっかりと受け止められることが大切だ。

という発想が足りていない気がします。

 

転んでもタダでは起きない。

そういう強さは、

豊か過ぎる日本が失ったものの一つかもしれません。

 

転んでも転んでも

 

 

子供英語を無駄にしないために

以上のことが、小さいうちから子供英語、英会話を習わせても

結局、無駄になってしまう、主な理由です。

では、ここから先は、どうすれば?無駄にしないで済むのか?

について、お話していきます。

理解して覚悟する

ちなみに、さきほど挙げた子供英語、英会話が無駄になる理由、

読んでみて、いかがでしたでしょうか?

「うちの子は、違う!」

「我が家は、違う!」

と子供が小さいうちは思われるかもしれません。

 

でも、

子供英語、英会話を長く続けていると、

だんだんと、親のほうが我慢がきかなくなってくるのです。

なぜなら、

スイミングやピアノに比べ、

英会話は、成果が目に見えにくいからです。

 

そのため、

「お友達が始めたから、なんとな~く我が家も!」

と気楽に始めてしまうと、

中途半端な所で止めてしまうことになりかねません。

そうならないためには、

成果の見えにくさもちゃんと理解し、

覚悟することです。

 

いろんなご家庭を見て思うのは、

他の習い事と違い、英会話の場合は、

子供の気持ちにまかせる

よりも、

親の方に一貫したポリシーみたいなものがあった方が、

どうも、うまくいくようです。

 

途中であきらめない

 

中学の勉強は心配しない

中学生になると、子供も親も、

学校のテストや成績を最優先に考えるようになります。

ですが、この時期は、

覚悟を決めて英語を学ばせてきた時間わが子を信じ、

できるだけ心配はしない!ようにします。

 

本来、英会話と学校英語は、同じものであるはずですが、

とりあえず、別物として扱っても構いません。

学校英語は、子供自身が自ら勉強するものであり、

英会話は、プラスアルファとして親が与える習い事である。

親自身が、こうイメージするだけでも、

子供の「英会話」への興味は保たれます。

実践させる

学校でどれだけ、教育改革が行われようが、

やはり、実践に勝るものはありません。

ある程度、話せるようになったら、海外へのホームステイまでは無理でも、

オンライン英会話などで、ぜひ、環境を整えてあげて下さい。

 

どちらかと言えば、

英会話そのものを学ぶというよりも、

文化や習慣の違いを肌で感じること

に重きをおきます。

 

というのも、英会話は、日本人相手でも、

アプリでも、CDでも、読書でも練習できますが、

文化や習慣の違いというものは、

実際にネイティブと触れた方が、理解がより深まるからです。

 

自主性と積極性

英会話力とは、コミュニケーション力です。

ですから、ぜひ!

中学卒業ぐらいまでに、

自主性、積極性を身に着けさせるようにしましょう。

 

実は、小学校の時は、おとなしかった子も、

中学生になるとガラリと変わることがよくあります。

そのチャンスを逃さないよう、

日ごろから、いろんな声掛けをし、

時には何か、挑戦させたりもしてみましょう。

 

正直、英単語や英文法なんてものは、

いくらでも後から学べますが、

自主性、積極性を育てることができるのは、しかありません。

※自主性、積極性は自己肯定感によって生まれます。

 

理解しようとすることが大事

自主性、積極性が道を開く

 

日本語を大事にさせる

日本人が英語を話せるようになるためには、

日本語で考え→日本語を英語風に直し→英文にする

このスピードを上げる必要があります。

 

ところが、

多くの日本人は、

日本語で考えたことを、そのまま英文にしようとします。

でも、それだと

外国人にはわかりにくい、伝わりにくい英語になってしまうのです。

なぜなら、

最初に日本語で考えた時点で、

私たちは、

日本社会や日本人的な発想に基づいた、

日本人的な言い回しを

無意識に使ってしまっているからです。

 

相手が日本人なら、問題はありません。

でも、相手が外国人であれば、

この日本的なものをできるだけ排除しておかないと、

何が言いたいのか?まったく伝わらない可能性だってあります。

 

自分が、無意識に使っている日本語は、

なぜ?英語に直すとダメになるのか?

英語的な日本語にするには、どんな言葉を使えばいいのか?

こういったことを考え、

なおかつ、

そのスピードをアップするためには、

日本語それ自体も、良く知っておく必要があります。

 

日本語も大事にする

 

欧米以外にも興味を持たせる

日本で習う英語というのは、

イギリス英語、もしくは、アメリカ英語です。

 

でも、忘れてはいけません。

今は、昔と違い、欧米だけが外国ではないのです。

実際、今や私たちは、実にたくさんの国や地域とつながっています。

その世界中の人たちと意思疎通を行うために、

私たちは英語を学ぶのです。

 

発音にしろ、言い回しにしろ、

英語は多種多様です。

そのすべてに精通することはできないにしても、

イギリスやアメリカの英語だけをあがめたてるのではなく、

心をオープンにしておくこと。

日本語英語を必要以上に恥じないこと。

欧米以外にも興味を持つこと。

などを子供には、教えていきましょう。

 

実は、このことを、30年以上も前に、

主張されていた方がいます。

言語学者で、イギリス英語もペラペラの鈴木孝夫氏です。

氏は、著書の中で、こう述べておられます。

 

著書から一部抜粋

私の英語の講義がすむと、必ず活発な質問が始まる。ところが私はインド、パキスタン、フィリピンなどから来ている人々の英語の質問がよく理解できないのだ。
・・・中略・・・
口では英語は世界に通ずる国際語だから大切だと言いながら、長年の間、心と体が英本国中心であったため、国際語としての英語が理解できない結果となっていたのである。
「武器としてのことばー茶の間の国際情報学」鈴木孝夫著 新潮社 昭和60年9月20日発行


国際英語意識しよう

まとめ

結局、子供英語、英会話は無駄になった。

この発言は、親御さんだけでなく、

実際に通っていたお子さんも、

感じていることのようです。

 

その一番の原因は、

小さいうちから英会話を習えば、英語はペラペラになる。

という幻想が、日本社会に蔓延しているからでしょう。

 

もちろん、小さい頃の英会話が、すべて無駄になるわけではありません。

目には見えずとも、子供の時の経験として、

何らかの役には立っているはずです。

 

でも、もし、

「そんな、ぼんやりとした効果ではイヤだ!」

「どうしても、英語ペラペラにしたい!」

というのであれば、

幻想に近いような大きな期待は捨て、

地道に親子で努力するしかありません。

 

ぜひ、上記のことをヒントに、わが子に合った具体的な方法を見つけてくださいね。

 

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