英語の土台の1つである可算、不可算についてなんとなくでも理解できたら、
いよいよ単数と複数、aとtheに進みます。
- 単数と複数
- aとthe
これらは、概念的には切ってもきれないものなのに、何故か?
私達は、ぶつ切りにして教えられてきました。
でも、一緒に理解すれば、すごくすっきりしますので、ぜひ。
目次
単数と複数の学び方の問題点
私達は、学校でこう習います。
単数=数が1つ
複数=数が2つ以上
それゆえ、可算名詞については、
単数ならばaをつけ、
複数ならば、名詞にsをつける。
と。
でも、この覚え方だと、
単数にはaをつける。
と言う具合に、
結局、私達は「数」しか意識しないわけです。
もちろん、1つのものにaをつける。
それは、文法的には正しい。
でも、それだけだと
何故?aをつけるのか?
何故?aをつけずに複数にするのか?
という意味までは、理解できないままです。
aとthe問題もある
さらに、aとthe問題もあります。
特に中学生においては、
授業で
a=1つの
the=その
としか教えられていないので、
自分が英作する時に、どっちを使えば良いか?わからないままです。
実際、学校のテストでは、このaとthe問題をクリアーするために、
aを解答させたい時には(1つの)
theを解答させたい時には(その)
という日本語訳を問題文に忘れずに付け加える場合もあるようです。
が、そもそも、そんな不自然な日本語を使わなければ、英語は学べないものなのでしょうか?
単数と複数、aとtheを正しく学ぼう
こんなふうに、私達は、
- 1つに決められた答えを答案用紙に書けるか?どうか?
- 文法的に正しいか?どうか?
ばかりを求められます。
でも、ネイティブにとって英語は母語。
何かを伝えるための道具。
そして、私達が学びたいのも、テストのための英語ではなく、
コミュニケーションのための英語。
だったら、まずは、ネイティブにとっての、
- 単数と複数
- aとthe
には、一体、どういう意味があるのか?
をちゃんと理解しておかなければ、前へは進めません。
なにしろ、このあたりのことは、英文の基本中の「き」なのですから。
複数は基本。単数は特別。
まず、ネイティブにとっては、
複数という基本があり、
特別な存在としての単数がある。
ということを、頭に入れておきましょう。
実際、ネイティブは、単数の名詞にaをつけるのではなく、
最初にaを使うぞ~という意識が働いて、その後に可算名詞を使う。
こういう感覚なのだそうです。
aは一つだけど決まってない。theは、はっきりわかる。
aとtheについては、よく、こういう説明がされます。
a=不特定なものをさす
the=特定なものをさす
と。
まぁ、わかった気はするんですよね。
でも、実際には、上手に使えない。
でも、いい時代です。
theに関しては、いろんな方がすごくわかりやすい説明をされています。
- 誰もが、ピンと来るもの
- そこにいる人達が、せ~ので指させるもの
- 「例の~」と言う枕詞(まくらことば)がつくもの
どれでもいいので、自分の感覚にピタッと来るものを選びましょう。
私は、「例の・・・」という枕詞をつけるようになってから、theがすごく使いやすくなりました。
基本の単数・複数、a・theをもっと明確に!
とは言え、
まだまだ、単数・複数、a・theは、薄ぼんやりしているはず。
そこで、わかりやすいイメージをイラストにしてみました。
お題は、「私は犬が好きです!」の英作です。
中1レベルです。
これを単数・複数、a・theを使って意味の違いをイメージしましょ。
I like dogs.
「私は犬が好きです」
これを、素直に英語に直します。
その時は、I like dogs. これが、正解です。
世界中に犬は、たくさんいますから、dogsと複数で言うのが正解です。
犬が好きですという時の「犬」は、一般的な犬のこと。
そういう時は、基本の複数を使います。
I like a dog.
じゃあ、dogにaをつけたら、どうなるか?
aは単数で、なおかつ不特定。
だから、ある1匹の犬を思い浮かべてることになります。
I like the dog.
つぎは、dogにaじゃなくて、theをつけます。
しかも、dogにsがついていないので、単数です。
つまり、私が好きなのは「例の犬」です。
「例の犬」知ってるよね?ね?ね?
それが、theの概念。
I like the dogs.
お次は、dogsにtheをつけてみます。
dogsとsがついているから、今度は複数。
そしてtheがついているので、
私は「例の犬達」が好き!!
でもって、「例の犬達」って言えば、もちろん!わかるよね?
そう相手に言ってるのと同じです。
I like dog.
さて、最後です。
I like dog.
日本人にとっては、この形が一番自然。
だって、日本語ではほとんどの名詞が不可算扱いだから。
でも、これだと、怖いことになってまう。
前回のfishを思い出してください。
a fishは水の中を泳ぐ魚。
fishだと食べる魚です。
ということは、可算名詞のdogに何もつけないと・・・・?
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
それぞれ具体的なイラストにしてみると、幾分、違いがわかりやすくなったと思います。
特にtheは、
相手との関係性によって、使う範囲が決まるなぁ~。
ということが、わかりましたよね?
なにしろ「the=例の~」ですからね。
でも、初対面同士であっても、話の流れからわかるものなら、「the」でOKです。
たとえば、
the woman wearing T-shirt over thereとか、
※赤いTシャツ着ている女性が複数いたらダメ
もう、すでに、話題にしたものとか、
最上級のもの
太陽とかお月様のように1つしかないもの
などです。
これらのことは、
たくさんの英文に接する時、
- なぜ?ここでa?単数?
- なぜ?ここでthe?
- なぜ?複数?
と、ちょっと意識しさえすれば、すぐにわかってくるはず。
ただし、会話の場合はスピード感やその時の空気感も大事。
だから、これらのことを学びたいなら、
ぜひ、ネイティブが書いた英語の本を読みましょう。
もしくは、英英辞典ね。
え?英語の本なんて無理?
英英辞典なんて無理?
いやいやいや。
そのために、学校で英語習ってるでしょ?
詰め込む単語も、
文法至上主義も、
すべて、本当の英語を理解するために必要な勉強にはなるんです。
ただ、気をつけることは
学校の英語は、日本人の視点でしかないという点です。
※教科書には、不自然な英語も結構あるらしい・・・
だから、そこから、抜け出す!
そうすると、英語学習はめちゃめちゃ楽しくなるし、
実は、その先に待ち構えていることの方が、何倍も大事だったりするんです。
あ!ちなみに、前回のお魚のイラストのクイズ。
わかりました?
わからなかった方は、今回のaの概念をもう一度チェックしましょう。
※ヒント イルカは、fishじゃない!という理屈は、サメには通じません。
※今回の記事の参考文献
「一億人の英文法」大西泰斗・ポール・マクベイ著
「英文法解説」江川泰一朗著
「英語の使い方」今井邦彦著
「日本人の英語」マーク・ピーターセン著
「続日本人の英語」マーク・ピーターセン著
「心にとどく英語」マーク・ピーターセン著
「実践 日本人の英語」マーク・ピーターセン著
「コミュニケーション英語学」マーク・ピーターセン著
「日本人の英語はなぜ間違うのか」マーク・ピーターセン著
「新英和中辞典」研究社
「現代英英辞典」ロングマン